「あー。
もー分かったよ。…どこにあんの?(やっと加奈子ちゃんと二人で話せそうだったのに;)」

「わりーな。直!まじでサンキュー♪
多分テーブルんとこに置きっぱなはずだからすぐ見つかると思う!」

「……了解」


でもだからって何で
よりにもよって俺がゲームで男とキスなんかした証拠写真を
他人のネタになんかにされたくて
わざわざ自分で取りにいかなきゃなんねーの…;


そんなことをブツブツぼやきながらも、
なんだかんだ根が優しい直哉くんは、結局最後はどこか諦めたようにハイハイ…、っと力なく返事をする。


そして一人ヤレヤレと大人しく外のシューズを履いて
頼まれたデジカメを取りに、しぶしぶ自分たちの部屋まで戻ろうとした直哉くんに
わたしは思わずここから叫んでいた。


「あっ…、――待って直哉くん!!」

「! え…、加奈子ちゃん?」


そのまま部屋を出ていこうとしたところで
突然わたしに後ろから大声で呼び止められ
直哉くんが驚いたようにこっちを振り返る。


そのままポカンと立ち止まる直哉くんに
わたしはしばらくの間、黙ってうつむいていたあと、思い切ってこう言った。


「…っわたしも一緒に、ついて行こうか…?」