ヒヤ
「!」
でもそのとき。
とつぜん、耳の横を一瞬コツンと何か軽く当たったかと思うとすぐにヒヤッ、と冷たい感触がして
わたしは思わずハッと目を見開く。
そのままビックリして顔をあげると
そこには、水の入った小さなペットボトルを片手に持ったまま、
何やらジッとわたしを見下ろす直哉くんの姿があったんだ。
「…これ、差し入れ。ノド乾くと思って」
「あ…」
「加奈子ちゃん、どれ飲む?」
そう聞いて
直哉くんはガサッ、とビニール袋から人数分の紙コップを取り出したかと思うと
コーラやソーダ、オレンジなど…
とにかく何種類ものジュースが入った大きなボトルをテーブルの上にいくつも乗せて並べだした。
そのままいつものように口を四角にさせてニッと笑った直哉くんに
しばらくしてわたしはとっさに急いでテーブルのジュースへと目を泳がせる。