「「おっじゃまっしまーす!」」


それから10分後…

間もなくして、部屋の襖を1度「コンっ♪」とたたく音がすると
同じ班の勇樹くんたちが遊びにやって来た。


そのままゾロゾロと中へ集まってきたみんなに
手ぐしで前髪を熱心に直していたあさみちゃんが「あっ!」と嬉しそうな顔をあげる。


「みんな来た来たっ!いらっしゃーい♪
あっ、けどここに来るまで誰かほかの先生たちに見つかったりしなかった?」

「全っ然、超楽勝♪」

「思ったよりスゲー簡単に来れたよな」

「矢野センたち、今頃ようやく風呂にでも入れてホッとしてんじゃねー?」


ひゃっひゃと、男子たちとそんな会話をして笑う中

ふと勇樹くんが、部屋からわざわざ持ってきた袋を開けて
何やらゴソゴソと中身を広げ出す。


「ん、とりあえずトランプやらゲームやら、
とりあえずここらにいる全員で遊べそうなもん、適当に選んで持ってきた。
あとこれ、あさみがやりたいっつってたDS」

「わぁーありがと~!あっ、トモコレだ!」


これ、ずっとやってみたかったんだよね~!

へぇー、こんなんまであるんだ。


念願のDSを前に、
キラキラと目を輝かせて、すっかり嬉しそうな顔のあさみちゃん。

詩織ちゃんも男子たちが持ってきたゲームに興味津々。


勇樹くんたちの方はというと
こんな時間にこうしてこっそり全員で集まるのがまんざらでもないらしく、
あさみちゃん達のために、せっせと準備してる。


チッチッチ…

そんなとき
ふと壁の時計を見あげると、時刻はすでに夜中の11時をまわっていて。


「うっしっし♪
詩織の顔、めちゃめちゃ怖いのに設定しちゃろ」

「ちょっとあさみ!!」


消灯時間はもうとっくに過ぎたというのに
さっきからひたすら楽しそうにはしゃいでる皆を見て
わたしは耐えられずうつむいた。




「……」



今ごろ…



“304号室ね”

“りょーかい♪点呼終わったらすぐ行くから”



きっと翔も、三浦さんたちと一緒にいるんだろうな…