「……矢野セン行った?」
「行った行った!誰もいない」
「よぉっし。それじゃーさっそく電話するねっ」
玄関へと飛び出した詩織ちゃんが襖の隙間からコソッと顔をのぞかせて
きょろきょろと何度も左右を見回す。
そして廊下にもう誰も人が残っていないのを確認すると
部屋にいたあさみちゃんがさっそくケータイに電話を入れた。
ピッピッ、ピッ
プル、プルルル…
ガチャ
「…あ、もしもしっ勇樹?
あさみだけど。…うん、今点呼終わった~!
そっちは?うん。オッケー♪じゃー4階の405号室で待ってまぁす!」
ケータイのスピーカーから
ときおり漏れて聞こえてくる向こうからの話し声に
わたしと詩織ちゃんはジッと聞き耳を立てて正座したまま…
隣では勇樹くんとの電話を早々に済ませた様子のあさみちゃんが
ケータイをパチン!と閉じるなり
イェイ♪とVサインをしてみせる。
その瞬間、今まで強張っていた全身の力がフラッと抜けて、一気にへたりこんだ。
「はぁ~、向こうも終わったって?点呼」
「うんっ今から皆でこっち来てくれるって!
とりあえず男子たち全員入れるようここらへんキレイに片付けとこ!」
そう言って
さっきまで畳に敷きつめておいたお布団はもちろん
元々部屋に置かれてあった食卓用のテーブルや座布団、座イス…
とにかく散らかしていた荷物などをせっせと三人で隅っこに動かして片付ける。
「ふ~、やっと終わったぁ」
あとは男子たちが来るのを待つだけとなり…
前ではあさみちゃん達が汗をかきながらパタパタと両手をはたく。
そんな中わたしはさっきからひとり黙り込んだまま、思わずゴクンと息をのみこんでいた。
「……」
“全員”
ということは、直哉くんも来るんだ……。
「行った行った!誰もいない」
「よぉっし。それじゃーさっそく電話するねっ」
玄関へと飛び出した詩織ちゃんが襖の隙間からコソッと顔をのぞかせて
きょろきょろと何度も左右を見回す。
そして廊下にもう誰も人が残っていないのを確認すると
部屋にいたあさみちゃんがさっそくケータイに電話を入れた。
ピッピッ、ピッ
プル、プルルル…
ガチャ
「…あ、もしもしっ勇樹?
あさみだけど。…うん、今点呼終わった~!
そっちは?うん。オッケー♪じゃー4階の405号室で待ってまぁす!」
ケータイのスピーカーから
ときおり漏れて聞こえてくる向こうからの話し声に
わたしと詩織ちゃんはジッと聞き耳を立てて正座したまま…
隣では勇樹くんとの電話を早々に済ませた様子のあさみちゃんが
ケータイをパチン!と閉じるなり
イェイ♪とVサインをしてみせる。
その瞬間、今まで強張っていた全身の力がフラッと抜けて、一気にへたりこんだ。
「はぁ~、向こうも終わったって?点呼」
「うんっ今から皆でこっち来てくれるって!
とりあえず男子たち全員入れるようここらへんキレイに片付けとこ!」
そう言って
さっきまで畳に敷きつめておいたお布団はもちろん
元々部屋に置かれてあった食卓用のテーブルや座布団、座イス…
とにかく散らかしていた荷物などをせっせと三人で隅っこに動かして片付ける。
「ふ~、やっと終わったぁ」
あとは男子たちが来るのを待つだけとなり…
前ではあさみちゃん達が汗をかきながらパタパタと両手をはたく。
そんな中わたしはさっきからひとり黙り込んだまま、思わずゴクンと息をのみこんでいた。
「……」
“全員”
ということは、直哉くんも来るんだ……。