「っ、な、なんで」

「いーから。やれよ」


ビクッ…


低く、冷めた声で、
間髪を入れず被せてきた翔の言葉に、わたしの体がこわばる。


その間も一切、翔の視線がわたしの方へ向くことはなく、

反対方向を見つめて腕を組み、口を閉ざしたまま。


でもその態度が逆にコワく感じられて…逆らってはいけないような気がして


「……っ」


わたしはしばらくの間、青ざめた顔をして、辺りを見回したあと


勇気をふりしぼり、震える手を上げた。