ニコニコッと、明らかぎこちない笑顔で頷くわたし達に向かい
先生はただ一言、そう念を押したかと思うと

もう次の部屋の点呼まで早速まわらなければならないのか
あっさりと襖を閉めていった。


「……」


シーン……


それでもすぐには動き出さず…

しばらくの間
廊下の方で誰か人の足音や物音が聞こえないかどうか、ジッと辛抱強く耳をこらす。


そしてようやく見回りの先生がだいぶ遠く離れた場所まで歩いて行ったのを確信すると


わたしたちはとっさにゴクッ、とお互いの顔を見合わせ…

次の瞬間――ガバッ!と勢いよく布団から起きあがる。