「へ、えぇッ、ムグッ!?」

「シッ!シー!加奈子ってば、シィー!!
もし先生たちにこの事バレたら本気でやばい;」


そのことを耳にした次の瞬間

わたしは思わずこの場で大声を出しそうになり、

あわてて気づいたあさみちゃんが
とっさにその口をガバッ!と後ろから両手でふさぎ込む。


そのまましばらく二人ジタバタしていたあと
ようやく放してもらえたわたしは
プハッ!と大きく息をはきだすなり、急いで後ろを振り向くと困惑したままこう尋ねる。


「え、…で、でも待って。
だってそれ…、直哉くんも来るの?」

「へっ?」


長い拘束からようやく解放されたかと思うと、
真っ先にわたしの口を突いて出てきたのは、意外な質問で…

目の前にいるあさみちゃん達はポカンとしていた。


…たしかに、二人がそんな反応をするのもおかしくない。


だけどまさか、
あの直哉くんが来るはず…――