でももしそのことを
今ここにいるあさみちゃん達に打ち明けたとしたら、二人はどう思うだろう。
どんな風に、言うのかな。
天真爛漫(テンシンランマン)のあさみちゃんなら、多分きっと
こんな時でも素直に
“あたしも行きたかった”
って、すぐにでもそう、話してたんだろうな…――。
「そーいえばあさみ、…今夜の消灯後の件だけど。
先生たちの了解なしに、
無断で密会するって自分から言いだしたからにはさ。
向こうの男子たちとその、“綿密な段取り”みたいなもんは、
今の時点で既にもうちゃんと、話し合ってあるんでしょーね?」
「んんっ?
…そりゃーもう!もっちろん!
ばっちし♪まっかせて」
しばらくそんなことを考えていると
ふいに何かを思い出した様子の詩織ちゃんが
一瞬、警戒するように周囲を見回したかと思うと
どこか気の進まない顔で
今もモグモグと熱心に料理を口に運んでいるあさみちゃんに向かって
ヒソッ…、と小さく耳打ちしだした。
その言葉に
あさみちゃんは一度ゴクンと口の中に入っていたものを飲みこむと
奥のコップに手を伸ばし
もう片方の指では小さなマルを作ってみせる。
そのままニヒヒッ♪と
どこかイタズラっ子な表情で笑ってみせたあさみちゃんに、
何も知らないわたしは、うつむいていた顔をエッ?とあげた。