「加奈子、やれよ」

「!…えっ?」

「修旅の委員、お前やれよ」


…!?


思ってもみなかった翔の言葉に、わたしの瞳が大きく開く。


聞き間違いかと思い、横の席に座っている翔の方をとっさに見るけど

相変わらず翔はわたしから顔をそらしたまま、こっちを向く様子はない。


でもこのとき、さっきまで自分の心に引っかかっていたものが何か
分かってしまった気がした。


「……」



イヤな予感を感じながらも、わたしは目線を正面の机へと戻す。


それでもカタカタと緊張しだす体を抑えられずに

わたしは制服のスカートをギュッ…と握りしめ、おそるおそる口を開けた。