「他に立候補する生徒もいないようだし、男子の実行委員は広瀬に決定でいいな。
じゃあ次は、女子。
女子でだれかやりたい生徒はいないか?」


何の話し合いもなく

すんなりと決まってしまった男子の実行委員に

今度は女子に向かって担任の先生が呼びかける。


その問いかけに、再び教室がザワつき出す中、

わたしは一人浮かない顔つきで、ぼんやりしていた。


実行委員、かぁ…

なんだか難しそう。


修学旅行自体は楽しみだけど

みんなの前に立って何か話したり、仕切ったりするのは苦手。

わたしには向いてない。


それに……


「……」


視線の先にあるのは、でかでかと黒板に書かれた翔の名前。


それを見て、わたしがため息をこぼしそうになったその時。


突然、横にいた翔が口を開いた。