ガヤガヤ
「えー、クラスの点呼が終わった実行委員から各自、報告しにくるように」
そうしてむかえた当日の朝。
空港のロビーでは
二泊分以上もあるかと思うような
小さなタイヤのついたガラガラや、大きなボストンバッグを肩にしょった私服姿の北高生徒たちで溢れかえる中
実行委員のわたしは、ひたすら女子の人数をかぞえているところだった。
(18、19…
女子は全員いる、と)
なんとか無事、女子の点呼は終わり、
今度はそのチェック表を、同じ実行委員である翔に手渡さなければいけないため
わたしが無言でそれを差し出そうと腕を伸ばしたとき
ふとしたひょうしで、自分の指が翔の手に当たり、わたしは急いでその手をサッと引っ込める。