結局――その日は一日中、翔とは一言も会話を交わすことはなくて。

気まずさは隠せないまま
昼食を買いに走った途中、反対側から友達と偶然こっちへ歩いてくる翔と出くわした。


「!あ……」


それを見て思わずピタッと足を止めたわたしに、あの翔も気づいたのか
一瞬ピリッとしたような重苦しい空気が流れる。


「……」

「ん?お、どした、翔」

「別に。なんでもねーよ」



それでも翔はすぐにわたしからフイと目をそらしたかと思うと

何も言わず、目も見ようともせずに…


「……」



ただ無言で真横を通りすぎて行った。