翔が、そんなことを……?
「少し見ないうちにずいぶんと大人っぽくなっちゃって…
お母さん、ドキドキしちゃった。
これで加奈子をお嫁さんにでももらってくれれば申し分ないんだけど」
「っそ、それで…?
お母さんは、わたしがどの高校にするかってこと、そのとき翔に話したの?」
「もちろん。話したけど。
そういえばあのあと翔くん、なんて言ってたかしら」
「……」
「それより加奈子、ちょっとは落ち着いたんならいいかげん1階に下りて夜ご飯でも食べたらどうなの?
帰ってきてからまだ何も口にしてないんでしょ」
お母さん先戻ってるから
早く顔出しにきなさいね。
そう言って
一足先に部屋を出て
パタパタと階段を下りていったお母さんに
わたしは一人ベッドの上に座りこんでジッとしたまま…
しばらくして、固く開じていた口をギュッと結ぶ。