《はは、よかった。
もしイヤがられたらどうしようかと思った》

「へへ…」

《けど加奈子ちゃん、こんな話した後にいきなり水を差すようであれなんだけど
実は今日ずっと、気になってたことがあってさ…その、言っていいかな》

「へ?あっ、うん。なに?」

《今日のサッカーの試合のことで
最後に俺のゴールが得点に入ったって…加奈子ちゃん、そう教えてくれたけど
でも本当は俺、あんとき広瀬くんに……》

「…――?」



翔に……?



そう言いかけて
急に黙りこんでしまった直哉くんにわたしは首をかしげる。


そのまま声をかけようとしたとき、突然向こうから部屋のドアをコンコンとノックする音がした。