え……?


《今話聞いたばっかの俺がいきなりこんな事言ってスゲーなまいきだと思うけど…、
でも俺、加奈子ちゃんのこと、すごく大切に想ってるからさ…、いつも笑っていてほしいっていうか。
俺に出来ることがあるなら何でもする》

「…!」

《だからひとりで悩んで抱え込んだりしないで、つらいときは俺を頼ってほしい》


いつだって支えになる。

どんなときも
俺が加奈子ちゃんの、力になるから。


今はお互いの顔が見えなくて、表情がわからない分

途中、何度も止まって言葉を選びながらも
電話越しから、わたしをそう元気づけてくれた直哉くんに


気がつけば、さっきまでこぼれていたはずの涙も
いつの間にか止んでいて


「……、うん」



やっと今、少しだけ



「直哉くん、ありがと…」



笑顔を…取り戻せた気がした。