「翔とは、幼なじみなの…。
小さいころは親の都合で一緒にいることの方が多かったけど…
でも何でこんなに自分だけが翔に嫌われてるのか、わかんなくて…」

《加奈子ちゃん……》

「とにかくこれ以上もう、翔のことで傷つきたくない…」


今回のことがあって
その想いは、よりいっそう自分自身の中で色濃く変わってしまった。


正直、翔のことは今すぐにでも忘れたい。

とにかく離れたい。

そして、もしもまた同じことを言われて、傷つくのが怖い。


「ぐすっ…」

《……》


それでも一体どうすればイイのか分からなくて

ひたすら声を押しころして泣いていると、今まで黙って話を聞いていた直哉くんが

突然、何かを決意したようにこう言った。


《…俺が、守るから》