《―そっか…
あの後、そんなことが…》

「……」

《けど加奈子ちゃんとその、広瀬くんの関係って一体…》


…――それから一体、どれくらいの時間が経ったんだろう。


思わず泣き出してしまった勢いから
わたしは今日の放課後、翔との間に起きたことを
少し、ほんの少しだけ直哉くんに打ち明けていた。



“おまえだって俺のこと何も分かってねーくせに、
初めから知ったような口すんな”



声にするたびノドの奥にあるものがつかえて取れなくて
何度も言葉につまってしまうものの

それでも電話越しにいる直哉くんはひたすら辛抱強く、ただ黙って話を聞いてくれた。


しばらくしてようやく気持ちが落ち着いてきたわたしは
ズズッ…と鼻をすすりながら涙をぬぐう。