「フン…言わせとけば何だよ好きになんないって。
そんなん頼んだ覚えねーし
誰が加奈子なんか間違っても好きになるかっつの。
つーか俺だって…」

「……っ?」

「っ、俺だって……」



“翔なんか一生好きになんない!”


翔の絞り出すような、かすれた声に
何も考えられずここから動けなくなるわたしに

翔はひとり顔を横に背けたまま
ギリッ…と強く歯を食いしばって黙ったかと思うと


冷たくこう吐き捨てた。



「おまえなんか一生…、大キライなんだよ」