しばらくの間

ビリビリと張りつめるような空気が漂っていたその時


翔がいきなり、わたしの方を向いて言った。


「おい加奈子」

「えっ…?あ…」

「おまえ、男に声かけられたくらいで、シッポ振って喜んでんな」

「!なっ…」


べっ、別に喜んでなんか…!



顔を真っ赤にして叫ぶわたしの言い分なんてこれっぽっちも聞こうとはせず


翔はわたしに向かって一方的に言葉を投げてきたかと思うと


フイと顔をそらし
そのまま自分の席にドカッと腰を下ろしてしまった。