「実を言うとね
今日このあと1班全員で遊ぼうって話しになったのも
うちらの間で“加奈子と直哉くんを修学旅行までにくっつけちゃおう!”的な計画があってさ♪
あ、でもこのこと直哉くんにはナイショねっ」

「!?」

「でもその必要もなかったかな~?
なんかもう既に二人ともお互い気になり合っちゃってる感じだし?♪
しかも加奈子
今日のお昼休み、ケガをした直哉くんが心配でわざわざ保健室まで会いに行ってきたんでしょ~?
あのあと、どんな進展があったの?」

「あ、あああれはその
進展とか特に深い意味はなく…!!」

「ふふふ、今さら照れるなー♪
加奈子来たらマックで聞き込み調査しまくるから覚悟してよね?」


げげっ…

可愛い顔をして小悪魔みたいに笑うあさみちゃんからの脅し(?)に
すっかり腰が引けていると

いったん男子たちと教室を出た詩織ちゃんが
しびれを切らしたように廊下から顔を出した。


「ほらっあさみ。早くしないと置いてくよ」

「はいはーい!今いっきまーす♪
じゃねっ加奈子!終わったら連絡ちょーだい」

「うん!分かった。
ばいばい!」


赤くほてった顔は隠せないながらも
教室をあとにしていく二人に手をふって別れる。


(……わたしも行かなきゃ)


キャハハと
あさみちゃん達の楽しそうな話し声が向こうの階段へと吸い込まれ
聞こえなくなるのが分かると

しばらくしてわたしもタタタッと教室を飛び出した。