「あっれ~?二人とも
もしかして…そーゆう関係?あっやしいなぁ」

「!!」


手のひらで口を隠して
クスリと笑ってみせるあさみちゃんに
直哉くんの顔が一気に赤く染まる。

二人して顔を真っ赤にさせ、ひたすら俯いていると
同じ班の男子たちが遠くから直哉くんを呼んだ。


「直~、そろそろ行くってよー」

「!…お、おう!」


男友達からの声に反応した直哉くんは
ダダッとその場から走り出したかと思うと

途中でピタッと足を止め
クルッとこっちを振り向いて言う。


「…じゃっ、待ってるから!」

「あ、うんっ」


それだけ言って
直哉くんはダッシュで友達の元へと走っていく。


「今なに女子と話してたんだよ?」

「ん?…内緒」

「うわ、やらし~、マジやらし~わこいつ」

「ふは」


しばらくの間
何やら友達とじゃれて笑うその後ろ姿を
ドキドキしながら見送っていると

あさみちゃんがさりげなく耳打ちしてきた。