「おい翔大丈夫か?」

「ずいぶん派手にやられてんなぁ」

「つーか、一緒に運ばれた直哉ってやつよりも微妙にひどくね…?」



しばらくして、教室に戻ってくると


保健室で治療を受けてきた翔を見て
クラスの男子たちが騒いでいた。


そんな中、わたしは一人カタッと席に着く。



「ねぇちょっと翔くん大丈夫?!
あ、あたしばんそうこう持ってるよ!貸そっか?」


そんな時、すっかり傷だらけになった翔を見て

真っ先に駆け出して行ったのは

同じクラスで、翔と修学旅行の班が一緒だった…三浦さん。


視線の先では

大きく顔を近づけた三浦さんが、ポーチから小さなばんそうこうを取り出してめくると

翔の口端にできていた切り傷にピタッとそれを張りつけながら、食い入るように見つめる。