「それと最後にもう一つ、言い忘れてたけど、
来月、あなた達の学年行事である修学旅行。
一応あたしも、保健医として同行する事になってるから。
当日の三日間はくれぐれも高校生らしからぬ行動は控える事ね。
…特に毎年、どの学年生徒も消灯時間を過ぎた辺りになると
衝動的にハメを外したがる傾向にあるみたいだから」

「!」

「一応あなたに伝えたかったことはそれだけ。
急がないと授業、遅刻するわよ」


そう言って、
先生はつまみあげていたタバコを軽く指先で叩き

黒くなった先を灰皿の下へ落としたかと思うと

デスクの引き出しを開け、書類をまとめだした。


そのままひとり後ろで何か作業を始める先生に


しばらくの間

わたしはドアの前でジッと立ちすくんでいたあと、コクリとうなずいた。


「…は、はい」