ドクン、ドクン…


まるで映画で見かけたスローモーションのように

直哉くんの顔がゆっくりとこっちへ近づいて来ると同時に

わたしの心臓の音はどんどん大きくなる。


今にもお互いの鼻がくっつき合いそうなくらい

わたしのすぐ目の前には、直哉くんの整った顔があって…


とっさに覚悟を決めようと
わたしがギュッ!と自分の目を押しつぶろうと身構えた…そのとき。



――シャッ!!


「!!」



ふいに保健室の中から、誰かが近づいてくるような足音がして



今までずっと閉まっていたはずの

わたしたちの真横にあるベッドの白いカーテンが突然――強い音を立てて開いた。