お互い、ほんの微かに触れただけの手は

しだいに指の隙間を通ってゆっくり重なったかと思うと上下に絡まる。


そのままギュッ…と優しく繋がれた手に
思わずわたしの心臓がドキッとした。


「なっ、なな直哉くん…!?」


とたんに動揺して顔をあげると、目の前にはいつになく真剣な直哉くんの表情…。


ただ黙ってまっすぐにこっちを見つめてくるその瞳は

一つも嘘がなく、揺らがなくて…


その眼差しに吸い込まれるように
わたしは何も、言えなくなってしまった。