エッ……



「!…あっ、ああれはその…、も…な、なんていうかっ
直哉くんに、も、もしもの事があったらって、し、心配で……」


その瞬間

直哉くんの熱がこっちにも伝染したように
わたしまでボボッ!と顔が赤くなる。


意識したとたん、急に気恥ずかしくなってしまい

口はすっかり噛み噛みで、ちっとも会話にならないまま

二人してお互い、赤くなった顔を見合わせてうつむく。


「~~~」


う…あ、あわわ…?!

どうしよう!?


きっ、緊張して頭が…




(って……ん?)


すっかりパニックになり、一人アタフタと慌てていたその時


ふと…

ちょうどわたしの目線に、

白いガーゼや、ばんそうこうで痛々しくも手厚く覆われた
直哉くんの腕やヒザが、視界に飛び込んできて…


「……」

「!」


思わずそれをジッ…と見つめて黙り込むわたしに気がついたのか


直哉くんはとっさにその傷を隠すように
すぐさま手で自分のヒザを被せて押さえると、困ったように笑った。