「ど、どうしたの!?」


それを見た瞬間

思わず直哉くんの身に何かあったのかと思い

わたしは急いで直哉くんの元へと駆け寄る。


そのまま何のためらいもなく
直哉くんの足元へヒザをつき、顔を近づけて覗き込もうとしたわたしに

直哉くんは一瞬ビックリした様子で我にかえったかと思うと、どこか焦ったように目をそらした。


「あ、いや…」

「もしかしてまだどっか痛むんじゃ…!」

「ち、違う!
俺は、加奈子ちゃんが心配してるような深刻なケガを負ったとか全然、そんなんじゃなくて…」


じゃあ、なんで…?


直哉くんの言っている意味が分からず
一人ぼうぜんと座り込むわたしに

直哉くんは恥ずかしそうに目を合わせたかと思うと、ボソリと口を開いた。