「ねぇねぇどうしたの?ひとり?」

「えっ」

「実はさ、入学式ん時から可愛いなって思ってたんだよね。名前、なんて言うの?」


そう言って、友達が作れなくて困っていたわたしに、突然声をかけてきたのは、

何だかちょっと遊んでそうな雰囲気の……でも人なつっこい目をした男子。


ビックリして目を丸くするわたしに、その人は唐突にケータイを開いてきた。


「アドレス、聞いてい?」

「へ?あの…」


も、もしかしてこれって、ナンパ…?!

こういう時って、素直に教えた方がイイのかな?


初めてクラスメートから声をかけられたことに気が動転してしまい

わたしもとっさに頷きかえして、

その男子とアドレスを交換しようと、カバンからケータイを取り出そうとした……その時。



突然、向こうから勢いよくサッカーボールが飛んできた。