―ピピッ


向かいのグラウンドから響いて聞こえてくる、ホイッスルの音。


ピッチでは
赤や黄色の障害物コーンが、つらなるようにして並び

クラスの男子たちが
盛んにシュートやドリブルの練習に励んでいた。



その中でも
足元に転がるボールを、慣れたようにゴール付近へと運び


蹴り出したボールの先が、ほとんど見えなかったくらい
スパッと、あっさりゴールを入れてみせたのは


三年間

南中のサッカー部で、エースだった人。



…翔だ。