こんな光景を昔から目の当たりにするたび、いやでも気づかされ、そして自己嫌悪に落ち込むんだ。


翔との距離がまた一歩、遠くなる。


お互いの家や、学校の席はこんなにも近いのに

翔の存在はいつも、――すごく遠い。




「なぁおまえ何班だった?」

「3」

「3?!うっわ、まじかよー」


―そんな想いを抱えながらも

ようやく準備も整い、一人ずつ番号の書かれたクジを引いていく学活の時間。


一番はじの席に座っている人から順に、クジの入った箱をまわして

とりあえずわたしは、残った最後の1個を引くことにした。


「やば!見んの緊張する~」

「ね!何班だった?」

「5!」

「5?!一緒じゃん!」

「うそ?!やったー!」


周りはすっかり修学旅行モードで

お互いのクジの中身を覗きあっては、喜んでハシャぐ中

わたしはひとり、ドキドキしながら最後の一枚を手にとる。


そのままおそるおそる中を開いてみると、そこに書かれてあったのは「1」の数字…。



「……」



…あ。


わたし、1班だ。



翔は…?