それから数日間ハルは外出もせず食事もほとんどとらずベッドの上でうずくまっていた。そしてある日アズマから電話がかかってきた。ハルはギクッとした。しかし取らないと殺されるそんな殺気さえ感じた。おそるおそる電話を取ると
「おう、ハルか?」
「ああ」
「嬉しいニュースや、あのオッサンちのもん全部売ったらえれー金額になってよ。今からそっち行くわ」
「え?今から」
「ええやろ」
ハルは軽くうなずいて電話を切った。十分後アズマが家に入ってきた。
「おう、ハル元気してたか?」
「んなわけねぇーだろ」
「まあそんなかっかしなさんな今日はこれを渡しにきたんや」
アズマはそういって膨れ上がった封筒を二つハルのテーブルの前にボンと出した。封筒からははいりきらなくてお札が見えている。