すると、目の色が明らかにおかしいおかしく、服には赤い血がべったりとついた。アズマがものがぎっしりつまったカバンを持ち、こちらに歩いてきた。アズマは車のドアを開けて
「ちと計画が狂ったがやることはやってきた」
「おっおいアズマ」
アズマはぎっしり詰まったカバンを助手席において、すぐにまた別のカバンを持って屋敷へと入っていった。助手席のカバンを見ると一番上には真っ赤な血でぬりたくられたような包丁があった。それを見たハルはギョッとしてそして思わず
「おい、アズマ」
しかしアズマの姿はもうなかった。ハルはその場から逃げたくなった。でも何か逃げる気力さえ失われているそういった感じだった。もうだめだ、もうだめだ。そう思ってハンドルに手をかけもたれた。そしてそのまま目を閉じた。