アズマは車から出て屋敷へと向かった。そして、例の植木鉢に手をやり鍵を持ち屋敷の中へと侵入していった。ハルはハンドルに全体重を重くのしかけ俺は俺は・・何も知らない何もしらない。ただ車を運転してただけだ。そう何度も心につぶやき運転席でうなだれていた。五分ぐらいしてふと外を見るとさっきでたはずの親父があわててこちらへ向かってくる。そして、植木鉢の下の鍵を探した。しかし、ないことに気づき自分のポケットを必死になって探している。それでも見つからず、門の鍵が開いてることに気づきそのまま中へと入っていった。まずい、ハルは一瞬焦った。アズマに電話しようか。しかし、携帯を助手席に置いていっている。ハルは車から出ようとした。しかし、運悪く近所のおばさんがこちらを見ている。ハルはあきらめた。でも、アズマならなんとかやってくれる。見つかるわけがない。アズマなら大丈夫だ。そう何度も心に言い聞かせて。屋敷の方を見守った。それから二十分してもアズマは戻ってこなかった。