十二月十三日。水曜日。時間は朝の五時。辺りはまだ薄暗い。ハルは車でアズマのアパートへと向かっていた。家の前に着くとアズマに電話をした。
「おう、アズマ今着いたぞ」
「おお、ハルかぁ~今から行くわ~」
五分後片手にバッグを持ってアズマがやってきた。
「お前何持ってきたんだ?」
「ああ、これかぁ?手袋だの、帽子などはいっとるんやぁ。そんなんええからはよいこか」
ハルは何も答えず車を出した。目白通りで大泉で東京外環にのる。そして、川口ジャンクションで東北道へ乗り換える。目白通りも東京外環もがらがらだった。