「・・・じゃあ明日で帰る」
「ああ、分かった。明日な。明日でかぁーちゃん探しも最後にしよう。見つかっても見つかんなくてもまっすぐ地元帰れな」
「うん。分かった。でもお兄ちゃんのバカ」
ハルは何も答えずにただじっと東京タワーを眺めていた。ハルには分かっていたこんな目がきらきらしていてかわいい子二度と出会わない。ただこの子を愛す権利がないことは自分にはよく分かっていた。だからこそ幸せになって欲しいそう感じた。観覧車から降りた美咲は乗る前とうってかわって無口になっていた。
「どうしたよ~美咲元気出せよ」
「バカ、バカ、バカ~」
突然美咲がハルの胸にとびこんできて両手で叩いた。ハルはびっくりして何も声が出せなかった。
「バカ~」
美咲はハルの胸で泣き始めた。