「今度はあたしがやってみた~い。」
美咲がせがむような声で言ってきた。
「お前できんのかよ」
「やるもん」
「ああいいよ」
ハルは肩からギターのベルトをはずし美咲の肩にかけてあげた。そして百円硬貨を入れてスタートボタンを押した。
「最初はビギナーがいいぞ」
「うん、分かった。これどうやって変えるの?」
「ボタンを押すんだよ」
ハルは美咲がかけているボタンに手をやった。ハルと美咲の指先がふれあう。ハルは美咲の指の上からボタンを押してビギナーモードにした。