美咲は満面の笑みを浮かべて行こう行こうとのってきた。ハルもそれを見てテンションが高くなった。CDの取り出しボタンを押してCDを入れ替えた。もちろん次のCDもパンクロックだ。
「まっすぐ行ってもつまらないから色々回っていこう。」
「うん、いいね。いいね」
美咲はノリノリ。まさに付き合い始めのカップルのように。池袋を出た車は明治通りをまっすぐ行って新宿、原宿と通っていった。新宿も原宿も人、人、人でいっぱいだ。美咲は目を輝かせながら車のウィンドウ越しに眺めていた。そして車ではブラックアウトのスタンドアップが流れ出した。この曲もcan you tell me your dreamという歌詞を聞くたびに自分の追いかけている夢を思い出させてくれる。