「そりぁ~残念やな。だったらお前と縁を切る。お前の前に二度と現われねー。あの借りた金も放棄する。ちゅうことは支払義務は保証人であるお前がすべて借金として抱えることとなるはずや。せやろ?俺の言う事を聞いてただ車を運転するか、多額の借金を背負ってこれからの人生生きていくかこんなんその辺のガキんちょでも分かる話や。ほなどないする?」
「・・・」
ハルは何も言えなかった。
「どや?」
そして小さく怯えた声で
「・・・本当に運転するだけでいいんだな?」
アズマはタバコの灰を近くにあった空き缶に落として、口から白い煙を吐き出して答えた。
「ああ、それだけでかまへん、充分や」
ハルは悔しかった。ただいいなりになって、何も言えない自分が死ぬほど苦しかった。
「そやからまたあとで詳しい計画の説明をするわ、また連絡する」
そういってアズマは立ち上がってタバコを消し、ハルのアパートを出た。後日アズマからまた連絡が来た。そしてハルの家にやって来た。例の話を持ち出して。