「アズマお前」
「どうもこうもないわ、見ての通りや」
ハルがふと窓際に目をむけると白い発泡スチロールの箱があり、中の植木鉢に植物が育てられていた。
「アズマ、あれなんだ?」
ハルが指を指して聞くと
「ああ、あれは魔法の植物さんや」
「魔法?まさか大麻とかじゃねーだろうな」
「大麻かなんやか知らんけどもあれを使うと気持ちええんくなるんよ」
「それを大麻っつーんだよ」
「ホンマか?」
「ホンマかじゃねーよ、アズマ目を覚ませよ。」
「俺はいつも目を覚ましとるがな」
「そんなんじゃねぇーよ」
ハルは立ち上がって飛び出すかのようにアズマの家を出た。冷たい雨が降りしきる中傘もささず何も考えずにただただ安らぎを求めて自分の一人暮らし先へと帰って行った。