「おう、アズマお前が借りた500万って変なことにつかわれてねぇーよな?」
「・・・」
返事がない。
「おい、アズマ、どうした?」
「ハル、・・れた」
「ん?よく聞こえねーよ」
「にげられた」
一瞬その言葉を疑った。
「え?」
その言葉しか出てこなくなって頭の中が真っ白になって、疑いもとまどいも通り過ぎていた。
「逃げられたってどういうことだよ。変な事言ってるとぶっとばすぞ」
「ハル、俺が全ていけなかったんや。あいつに金を預けたばっかしに」
「あいつ?あの刺青のやつか」
「せや、携帯つながらんし店も潰れた。完璧に行方をくらしおった。」
「なんであんなやつなんかに金を預けんだよ」
「つい信用してもうたんや、店を出そうとしていた栃木の下見にも何回も付きおうてくれて、何かと良くしてくれたんや」
「とりあえず今からお前のとこ行くわ」