「おおきに、ホンマ感謝するわ。恩にきる。ハル、俺とお前で大金持ちになってやろうぜ。一流大学を出て、ちゃらんぽらんに遊んでるやつらを見返してやろうぜ」
「ああ、そうだな」
いつも冷静な感じのアズマがあそこまで頭を下げるのは初めて見た。ハルはその熱意に圧倒され連帯保証にサインし、はんこを押した。しかし、それが悪夢の始まりとも知らずに・・数日後、ハルはたまたまこないだアズマと行った古着屋の前を通り過ぎた。しかし、店内には所狭しと置いてあった洋服は全てなくなっており、ショーケースや商品の什器だけが取り残されていた。改装工事でもしているのだろうそうハルは思った。しかし、それらしきコメントは一切ない。ハルはあまり気をとめずにその場を通り過ぎ去った。