「んでよ、一万ぐらいする洋服かっちたよ。」
「あそこ行ったのかぁ~あそこのニイちゃん本当は怖い人らしいぜ」
「えっそうなの?」
「なんか暴力団なんかと組んでけっこう危ない仕事とか裏ではやってるみたいだぜ。」
「うわぁ~マジかぁ~」
やっぱりハルが感じた目の奥の怖さは本当だったのかもしれない。またその日からアズマはハルの前から徐々に姿を見せなくなっていった。バイトも体調が悪いといって休むようになっていた。ある日大学でアズマを見かけたとき
「おい、アズマ、アズマ、大学のやつらから聞いた話だけどよ、あそこの古着屋のオーナーあんま評判良くないらしいぜ。暴力団の仲間ともつるんでるらしくマリファナとかのヤクとかにも手出してるっていううわさだぜ。」
「そんなのうわさやろ、そんなわけないやん」
「でも最近バイト休みがちだろお前なんかあったのか?」
「ちょっと体調を崩しただけだよ。なんでもないよ」
「そうかならいいんだけど」
「そんな心配せんでええよ」
「おう。分かった」
この時ハルはアズマが悪いほうへと行くんじゃないかと気が気でならなかった。