「う~ん、母ちゃん元気にしてるといいな」
「うん、絶対してる」
少し間を置いてハルは答えた。
「よし!じゃあこのおにいちゃんがお前の母親さがしを手伝ってやるよ。」
「え!?なんでいきなり?」
「お前がおじさんの話をする時かなしそーな目をするからだろーよ。」
内心自分にできることといったらこれぐらいだよとハルは思っていた。
「えっでも」
「いーよ。気にすんなお前の気持ち分からなくもないぜ。確かに急に一人になるとつれーよな」
「うん。ありがとう。」
「あ~いーよ。明日もちょうどバイトもなんもねーから一日中探せるぜ。」
「とかなんとかいってかっこいい人演じてあたしを落とそーとしてるんでしょ」
「ばかやろう。俺はガキには興味ねぇーよ。それよりも今日は早く寝ろ。明日朝から出るぞ」
「わかった。おやすみなさい」
そういって美咲はベットに入った。ハルはベットの隣でじっと考え事をしている。十分ぐらいすると美咲のすやすや眠る息が聞こえてきた。だいぶ疲れていたのであろう。美咲の寝顔はまるで人間を恐れる事を知らない子猫のようにいとおしく可愛かった。