「あと、あたしぃお母さんに手紙書いてきたんだぁ。見つかったら渡すの」
「ん?手紙?」
「うん、これ」
美咲が一通の封筒をリュックから取り出し、ハルに渡した。
「これか、読んでもいいか?」
「うん」
“お母さんへ お母さんに会えてすごく嬉しいです。お母さんとあった感動でうまく言葉がでないのかもしれないので文章で伝えたいと思います。お母さんへ元気してましたか?美咲は元気だよ。お母さんと会ったら美咲を色んなところに連れてってほしなぁ。東京の色んなところ。東京タワーだったり、新宿だったり、渋谷だったり。楽しいこと美咲大好き。お母さんと会ったら一杯おいしいものを食べたいなぁ。でもお母さんの手料理が一番食べたいです。お母さんの作る料理はおいしいんだろうなぁ。美咲も一緒に作りたいです。お母さんと会ったらたくさんお話がしたいです。学校のこと、恋愛のこと、美咲が幼かったころのこと、いろんな話がしたいです。そして、ずっとずっといつまでも一緒にいたい。ずっとずっといつまでも。もう一人ぼっちはいやだ~。絶対に離れたくない。ずっとお母さんと一緒にいたい。ずっと”
中学一年の美咲の思いがハルに切実に伝わってくる。