「まあそんなことよりさぁ~さっきの話って本当か?」
「さっきの話って?」
「ほら青木平八郎の殺人事件のやつだよ」
「本当だよ。物心ついたときから平おじちゃんと一緒に住んでた・・」
美咲は悲しそうな声で答える
「あ、、わりーそんなつもりじゃなかった。おかあさん探してるとか言ってたよな。なんか手がかりかなんかあんのか?」
「平おじちゃんが言ってた“ママは東京にいって夜のお仕事をしていっぱいお金を持ってミサキちゃんのところにかえってくるんだよ。だからもう少し我慢しようね”って」
「夜の仕事かぁ~そんなトコ東京には山ほどあるからなぁ~名前とかわかんの?」
「青木美由紀」
そういって美咲はリュックサックのポケットから一枚の写真を取り出して渡してくれた。写真には公園のブランコに一人の幼い女の子が座っていてそれを抱くようにお母さんが横に満面の笑みを浮かべてしゃがんでいる。写真の裏には2000年4月と書かれている。美咲がちょうど三歳のころの写真だ。
「ありがとう」
そういってハルは美咲に写真を返した。