ハルも約束の裏路地に着いた。まだアズマの姿はない。タバコをふかし待っていると、五分くらいするとアズマが現れた黒の革にスラックス、革靴を履いて出会ったころとはまるで別人という雰囲気をかもしだしていた。しかし顔つきや骨格は変わらない。おもかげは残っている。
「アズマ、」
「ようハルひさしぶりやなぁ」
「美咲から離れろ」
「そんなことお前にカンケーないやろ?」
「関係ないとかの問題じゃねーよ。美咲はお前と会っちゃいけねーやつだ」
「でもなぁ~一緒に寝たで」
「お前ってやつは。俺はお前がどこの女に手をだそーがかまわねーでも美咲だけは別だ。お前美咲とどうするつもりなんだ。外国行くんじゃなかったのかよ?」