「あたしぃ死にたい」
美咲はつぶやくように言った。ハルにはよく聞き取れなかった。
「あん?」
「自殺したい」
「何言ってんだおまえ」
「もぅ~やだよ~死んで死んで死にたい~」
「おい、落ち着け美咲」
ハルは思わず美咲の方へ近寄った。美咲は涙を浮かべていた。
「もう誰もいなくなっちゃった。もう死ぬしかないんだあたしぃ」
「・・・」
「平おじちゃんもお母さんもだ~れもいない」
すぐに言葉が出なかった。
「・・・けど死ぬこたーねよ」
「なんで?」
「なんでって何でもだ」
「うっうっうえ~ん」
美咲の涙は一層増した。