「・・・交通事故で亡くなったとさ」
「・・・えっ」
「な言ったろ会わす顔がねぇーってよ」
美咲はその場でいっきに泣き始めた。下を向いて、地面には涙のしずくがぽつんぽつんとたれた。足元に置いてあったリュックのポケットからは手紙がむなしく顔を覗かしている。ハルはしゃがみ冷えきった美咲の体を思いっきり抱きしめてやった。優しく、温かく。ずっとずっといつまでも。ハルと美咲はとぼとぼと丸の内コーポの階段を下りて暗い夜道、ハルは美咲の手をぎゅっと握って帰っていった。美咲とほとんど会話をしなかった。