「ありがとうございました」
ハルはつぶやくようにそう言ってとぼとぼと階段を登り美咲のいる205へ向かった。美咲はドアの前でしゃがんでうずくまっていた。ハルはどう切り出していいか分からない。
美咲が下から見上げて言った
「どうだった?」
「ん?美咲に会わす顔がねーってよ」
「どういうこと?ちゃんと説明して」
美咲がせかすように聞いてきた。
「聞きたいか?」
「聞きたいよ。ねぇ教えて」