ハルはやっと暗闇から一筋の光を見出した気になった。
「美咲行こーかあちゃんと会えるかもしんねーぞ。」
ハルは美咲の手をとって店を飛び出した。
「ええっ行くってどこに?」
「この辺で歩いていける距離のマンションやアパートをかたっぱしから探してみるんだ」
「えっでも」
「でもなんだよ」
「電車で通ってたのかもしんない」
「あ、そうか」
いきなりハルの足が止まった。
「でも分かんねーじゃん。調べてみなきゃ」
ハルは何かやっと見つけた暗闇の光を消したくなかった。